奥秩父 火打石谷 ~ まぼろしの大滝を仰ぎみる (多摩川水系滑瀞谷)

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投稿者
伊藤 岳彦
横浜西口店 店舗詳細をみる
日程
2013年08月18日 (日)~
メンバー
単独行
天候
コースタイム
余慶橋(15分)火打石谷出合(150分)30m大滝上の枝沢で遡行終了(45分)熊倉尾根踏跡(90分)余慶橋
コース状況
■ 余慶橋に駐車スペース多くあります。
■ 余慶橋から丹波川本流に降りて入渓しました。
■ 火打石谷出合までは平凡な川歩きです。
■ 水量が多いときは、大常木林道を辿って火打石谷出合まで行けます。
■ ゴルジュ内の滝には意外にも立派な残置ロープが随所にありました。
■ 中流部のゴーロ歩きは単調でした。
■ 30m大滝の高巻きは正確なルートファインディングが必要です。
■ 大滝上で遡行を終了し、枝沢から熊倉尾根を目指しました。
■ 枝沢から右手の支尾根に取り付きましたが、体力勝負でした。
■ 熊倉尾根の踏跡は比較的明瞭。尾根を外さなければ問題ありません。
■ 植林帯の踏跡を忠実に辿ると、熊倉沢出合にピンポイントで出ました。
難易度
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感想コメント

奥秩父・飛龍山の前衛峰である前飛龍の南面から流れ出る火打石谷(ひうちいしだに)は小常木谷(こつねぎだに)の最大支流で、小常木谷と合流した後、滑瀞谷(なめとろだに)と名を変えて丹波川(多摩川上流)に注ぎます。
沢登りに興味のない人にとっては全く無縁の地名かもしれませんが、雲取山に登るときに歩く後山林道(お祭~三条の湯)に沿って流れる後山川の一つ上にある支流、と言えばイメージできる方も多いのではないでしょうか。
下流部にゴルジュを彩る美しい滝をもち、上流部では「まぼろしの大滝」を秘めることで知られますが、以前は曖昧な遡行図が出回り、大滝がどこに存在するのか不明瞭だったこともあるようですが、現行の「東京起点沢登りルート120(山と渓谷社)」の遡行図はかなり正確であるような気がします。
火打石谷には1970年代初頭に木材需要の高まりから伐採の標的にされるという悲劇的な側面があったようですが、自然の自浄作用はすごく、現在では美しい滝を幾重にももつ沢として大分復活した感があるようです。

お盆休み最後となる日曜日、高速を使わずに東京から日帰りできる沢としてピックアップしていた火打石谷を訪れてみました。
「まぼろしの大滝」は以前の古いガイドブックには70mと表記されているものもあり、名前からして興味をそそられるものなので、ちょっとミステリアスな滝をこの眼で是非見てみたいという密かな思いもありました。
実際には、驚愕するほどではありませんでしたが、やはり立派な滝であることには違いありません。
感覚的にみても確かに40mほどのような気がしますが、水量がとても少ないのが残念でした。
なぜ「まぼろし」と呼ばれるのかは分かりませんが、高巻きの仕方によってこの滝を見ることなく巻いてしまうこともあるのかもしれません。

奥秩父にはこうした知られざる大滝がまだまだ沢山あるので、少しずつ遡行技術の向上に努めながら、まだ見たことのない刺激的な風景を追い求めていきたいと思います。

フォトギャラリー

火打石谷は体力勝負の秀渓

余慶橋から丹波川本流に降り立ちます

穏やかな滑瀞谷

最初の滝らしい滝

下流部は明るいゴルジュです

釜をもつ小滝が続きます

残置ロープのある滝

大釜をもつ7m滝 左岸を巻けます

迫力ある12m滝

中央右の倒木を登り、滝上に巻き上がりました

8m滝 右壁を快適に登れます

ゴルジュを抜けると、少し開けた渓相になります

美しい8mスダレ状滝

さらに上流へ

まだまだ滝が続きます

門番のような滝と表現する方もおられるようです

小ゴルジュの6m滝を越えると、まぼろしの大滝です

これがまぼろしの大滝40m!う~ん、どうでしょう

こちらは本流の30m大滝 水量豊富で迫力あります!セオリー通り左岸を巻きました

遡行終了点 枝沢から右手の支尾根を目指します

・実際に行かれる際は、現地の最新情報をご確認ください。
・ご自身の技術や体力に合った無理のない登山計画で山を楽しみましょう。

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